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私の留学時代

=米国・ワシントン大学= 昭和47年(1972)
警官が銃出しフリーズ 深夜のマイアミ、車内で仮眠中に

 今年はイチローがシアトルマリナーズで大活躍しましたが、実はワシントン大学は、そのシアトルを代表する大学なんです。おかげで、イチローの活躍を見るたびに、留学時代の思い出が呼び覚まされ、感慨がいっそう深まりました。思い出される中でも、一番苦労したのは、やはり英語。日常生活は何とかなっても、学問はそうはいかない。数学を使った経済理論などは、数字が中心なので比較的わかりやすいのですが、ビジネスロー、ビジネスポリシーなどは膨大な法律、判例などに目を通さなければならず、これはキツい。勉強に追われているときには、夢も英語になったほどです。
 楽しい思い出といえば夏休みに、あちこち旅行して歩いたこと。とくに最後の休みには、韓国、マレーシア、タイの友だちと四人で、全米一周のドライブ旅行に出掛けました。ちょうど、ジョン・デンバーの『カントリーロード』がはやっているころで、旅行中はしょっちゅう歌っていたので、いまも何かあると口ずさむほどです。その旅行中ですが深夜にマイアミについて、無料駐車場で夜が明けるまで仮眠していたところ、警察官に拳銃を突きつけられて、「ホールドアップ」とたたき起こされたのです。深夜に、しかもクルマに似つかわしくない、汚いかっこうをしていたので、盗難グループか、ホームレスと思われたのでしょうね。もちろん、免許証、車検証を示してことなきを得ましたが、いくら不審なグループとはいえ、いきなり拳銃を向けられるなんて、日本では考えられないことです。
 いまでこそ、「これもアメリカならではの経験」と笑い話にできますが、そのときの怖いことといったら……。
 いろんなことを経験した二年半の留学。その後の私の生き方に大きな影響を与えたと思います。アメリカはなにごとにおいても多様性の国で、人種、宗教から生き方、考え方に至るまで実にさまざまな人がいます。そのなかで、お互いにハッキリと自己主張しながら、それぞれの意見を尊重しあう、そういう風土が確立されています。
それに対して、日本は何といっても自己主張より協調性の国です。実は、政治家にはこの両方が不可欠。いろんな人の意見をよく聞いて、それを調整する…日米双方のよさを取り入れた和洋折衷ということです。そんな仕事にアメリ力留学で得たものが役立っているのではないかと思います。
(平成13年11月27日 自由民主 第2027号)


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