斉藤としつぐ
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第4回 『隣国の二人の大臣』

 イラクはサウジアラビア、トルコ、イランなど六ケ国に囲まれた国である。その内のクウェートとヨルダンを訪問することが出来ました。最初のクウェートで副首相兼国防相のジャービル氏と会談した。世界一の金持ちの国の中でも超金持ちの副首相は、長期に亘る海外での休暇から帰国後、初めての公式訪問団として団長の私を丁重に迎えてくれた。
早速本論に入ると、クウェートは自衛隊によるイラク支援を高く評価している、日本の姿勢はクウェートを勇気付けている、国を挙げて自衛隊に対する支援を提供していく、など力強く語った。
 更に、イラク国民も安定がもたらす利益を認識しているので、その将来について楽観している、と確信をもって述べられた。1990年の湾岸戦争はイラク・フセイン大統領(当時)によるクウェート侵攻と占領で、多大の犠牲と被害と苦しみをクウェートに残した。多国籍軍によってクウェート解放が実現したものの、クウェート人等の捕虜の行方不明、略奪資産・公文書の未返還、賠償問題の未解決など、未だに多くの深刻な後遺症を引きずっている。
 憎っくきフセイン、前科者のフセインを許すな!の空気がクウェートには充満していた。それだけに反フセイン政権体制をうたい、独裁体制から自由体制への国づくりを支援する国連、米国、日本への協力は揺るぎないものと感じられた。クウェートには、イラクヘの後方支援業務にあたる日本のキャンプ地が二つある。一つはアリー・アル・サーレム空軍基地内で、C−130輸送機を運航する航空自衛隊。もう一つはキャンプ・バージニアに駐屯する陸上自衛隊である。共に広大な土漠の中で灼熱の太陽の下にあった。イラクヘ出発する前にそこで、猛暑と砂あらしに馴れながら、ウォーミングアップと呼ばれる慣熟訓練が実施されているが、これが自信を植えつけ、大きな成果をもたらしているようだ。
 同様にヨルダンのムアッシャル外務大臣も、日本の積極的なイラク支援を高く評価しました。ヨルダンは日本との共同事業を含め、様々なイラク支援プログラムを推進しています。イラクのアラウィー首相も就任して間もない7月に、ヨルダンを訪問し、首脳会談を行い、両国の密接な関係を確立しています。ムアッシャル外相はイラクの暫定政権について、国連の安全保障理事会決議1546で認められている、又、広範な国際的支持を受けている、ことから正当性があり支援している。
  来年1月の選挙のあと、恒久的な政府が樹立されることがベストである。しかし多国籍軍については、ある程度治安が回復し、イラクの国家再建に目処がつくまで、撤退すべきではないとの認識も示しました。中東の和平はイラクが混乱している限り成立しない、との考えは各国で共有されています。特に隣国のクウェート、ヨルダンから、新生イラクヘの応援歌が大きく聞こえてきました。
イラク国境でクウエート国境警備隊長と
クウェート・ジャービル副首相と
クウェートのアリー・アル・アーサム空軍基地で航空自衛隊員とC-130を背景に


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