斉藤としつぐ
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第2回 『イラクの未来はヨルダン次第』

オランダ・カンプ国防大臣(右から二人目)との会談 紛争が絶えないイラク国内にあって、現在最も注目されている政治プロセスが、来年1月に実施予定の総選挙です。この選挙が成功するか否か、がイラクの運命を決すると言って過言でありません。当初の予定は、7月中に全国に選挙管理委員会が設置され、8月中に有権者登録を開始することが、イラク民主化プロセスでした。しかし、紛争の続発や政治プロセスそのものを妨害する動きなどがあって、スケジュールが遅れ遅れになって来ています。
 総選挙の後、移行議会の開会、移行政府の発足、更に憲法制定とそれに基いた再度の選挙、そして来年の末にやっと本格的な政府が発足する、という大事業となる訳です。スムースな自由で民主的な建国の為に、総選挙をどうしても成功させなければなりません。その基礎となるのが、イラクの有権者確定と、選挙人名簿の作成です。
 村からまちまで全国に広がって、各家庭を訪問し質問票に答えて貰い、回収率95%以上を目指す人口調査を行い、コンピュータによるデータ処理も行わなければなりません。不正防止を加味した最新のコンピュータ技術を駆使して、迅速で信頼に足る選挙が実施できるよう万全を期す必要があります。実はそのノウハウ伝授と技術供与をしているのが、「イラク人向け第三国研修」と呼ばれる日本からの援助なのです。その研修は、ヨルダン国の首都アンマンで二週間に亘って行なわれました。私はその研修状況をつぶさに視察しました。ヨルダン人と、日本人スタッフを教授陣に、出張して来た20名のイラク人が目を輝かせて受講していました。新しい国造りに参加できる喜びと、それを成功させようという意欲が迫ってきました。
クウェートにあるキャンプ・バージニアで陸上自衛隊員と  かなり前になりますが、日本がヨルダンに対して人口調査を指導した経緯があります。それからスタートしたヨルダンの統計と人口調査並びに国勢調査は、中東地域においてトップクラスになっています。その技術を身に付けたヨルダン側と経費を負担する日本側の協力支援が、イラクの未来を決定していきます。


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