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春の彼岸も過ぎたばかりの爽やかに晴れた朝であった、私は別宅の窓辺の机に向かい読書を楽しんでいた。
東窓の外は鮮やかな色彩の、椿の花が咲き誇っている。椿の梢の隙間から神の瞳のように済みきった青空が見えた。
この光景は、私の方から進んで眺めるというよりも、向こうの方から読書に熱中している私を見て、私の心を誘うように語りかけてくるように見えた。「本も良いけれど、こちらを見て、本の中にある宝よりもっと素晴らしいた宝がある」宝ってなんだろう。
前夜の雨でたっぷり水気を含んだ椿の葉は、みどりの霧のようにみずみずしく輝きかすかに風にゆれている。
鮮やかな、椿の花から生まれる新鮮な空気が窓をとおって、私の心身に流れこんで来た。詩情と美しさと神聖さを純粋に表現として輝いている、自然とそれに感動して言葉に汲み取ろうとする私の心がひとつに溶け合い、高められた思いが喜びとなって満ちあふれた。
「自分のために、天に宝を積みなさい、また、あなたの宝のあるところにあなたの心もあるからである」日の光が青空からふり注いでいる。私のいるところは、青みかかった光につつまれ、紅葉の木は明るい光をいっぱいに浴びて輝いている。
そよ風による椿の梢がかすかに動き葉がゆれる。小さなもみじの葉はひかりを照り返したり透かしたりしながら気持ち良さそうにそよいでいる。こころあたりで心による宝の実感としたい。(K)
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